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zoom RSS リラ冷えの街 (渡辺淳一)

<<   作成日時 : 2011/07/16 21:56   >>

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満足度1 

新潮文庫
初出版 1971年
読んだ回数 1回








新潮文庫−裏表紙の紹介文

人工授精という、運命的で冷酷なめぐり合わせを経て、十年近い歳月の後に、偶然のことから出会い、結ばれた有津と佐衣子の愛。有津の面影を感じさせる佐衣子の子供、紀彦を仲立ちとして、二人は、許されぬ愛を、激しく確かめあうのだが……。リラの花の咲く北国の街、札幌の四季の移ろいの中に、燃えようとして燃えつきぬ現代人の愛の虚しさを、流麗な筆に描く長編小説。


感想、みたいなもの

ケッ!

ただの身勝手な不倫を、「運命に翻弄されていく男と女」みたいに書きやがって。

元々嫌いな作家で、読む気はなかったのに、魔がさして読んでしまったことを、今は、本当に後悔しています。

−−−−−

2009年まで、8年間札幌に住んでいました。

北海道は「花大陸」と例えられるように、春から夏にかけて、それこそ百花繚乱、街中には花が溢れていました。

札幌と言えば、やはりライラック。



毎年、5月の末には、大通公園で「さっぽろライラックまつり」が開催され、その時期、大通公園はライラックの香りに包まれます。

街を歩いている時も、どこからともなくライラックの甘い香りが漂ってきて、そんな時、あたりを見回すとライラックの木があり、可憐な紫や白の花が咲いているのです。

東京に戻り、ライラックの花を見ることができなくなり淋しい思いをしていましたが、



今年、練馬の光ヶ丘公園にライラックの木があることを知り、2年振りにライラックと再会。



その時、渡辺淳一の「リラ冷えの街」を思い出し、渡辺淳一なんて、ただのエロ作家だと思っているのに、ライラックと再会した嬉しさから、思わず、手を出してしまったのでした。

「リラ冷え」というのは、札幌でライラック(リラ)の花が咲き、春から初夏へ向かう時期なのに、何故か、寒さが戻って肌寒い気候になることを指します。

「リラ冷え」という言葉の由来を詳しく書けば、1960年に、北海道の俳人の榛谷美枝子さんが「リラ冷えや 睡眠剤は まだ効きて」と、句に詠んだのが最初で、渡辺淳一の「リラ冷えの街」は、道新日曜版の連載小説として1970年7月から翌1月まで掲載。

さすがに道新の力は絶大で、札幌市民の間に「リラ冷え」という言葉が広まり、やがては気象用語にまで使われるようになったのでした。

ということで読んだ「リラ冷えの街」ですが、裏表紙の紹介文を読んだ時点で、何となく不快感があり、結局、その不快感は、最後まで消えることなく、というより、増大していきました。

−−−−−−−−−−

私は、「不倫」が大嫌いです。

というより、「不倫」という、本来後ろめたい事を、「不倫は文化だ!」と言ったとか言わなかったとかの、どこかのバカタレントのように、それが、堂々と、まるで正当なことのように扱われる風潮が嫌で仕方がないのです。

「不倫」に走る男女の、それぞれの事情とか、感情の移ろいとか、あるいは、背徳感に存在する、ある種のゾクゾク感。そういったものの全て否定するわけではありませんが、そういうのはあくまでも背徳であり日蔭の存在、お天道様の下で堂々と語るものではないと思っています。

ええ、古い人間ですから…。

それでも、「リラ冷えの街」で描かれる「不倫」が、「なるほど。これは仕方がないよなぁ。」と、ある意味、文学として納得できる内容だったのならともかく、「フランス書院」(官能小説を出版している)か、昼メロがお似合いの、ただのエロ小説でした。

今から40年も前には、こういう内容を書くこと自体が画期的だったのかもしれませんが、こんな物を執筆した作家と、それを純文学としてもてはやした世間の人たちの頭の構造を疑います。

−−−−−−−−−−

物語を要約すれば、学生の頃、気軽な思いで、人工授精用の精子を提供した有津が、十年近い歳月の後に、偶然、提供相手の佐衣子と出会います。

有津は言葉巧みに佐衣子に接近し、佐衣子を手籠にして、妊娠した佐衣子を最後は捨てるという物語です。

「運命」だの何だのホザいていますが、佐衣子が美人じゃなかったとしても、同じセリフが吐けるかどうか、かなり怪しい、薄っぺらな感情しかもっていない有津。

「十年前に、確かに彼女は私を受け入れてくれた。」とか、勝手な理屈に鳥肌が立ちます。

主人公の有津という男は、妻より不倫の方が本当の愛とか言いながら、さりとて、家庭を捨てる勇気もない。夫に先立たれた佐衣子が籍を抜き、法律上は人妻でなくなった時も、「人妻でなくなれば、僕と付き合うことに、不貞という感じを持つ必要はなくなる。」と抜かすサイテー野郎です。

これは、有津というより、結局は、渡辺淳一自身の考え方が現れているのでしょうが、とにかくクソです。

それを純愛だの、本当の愛だの、ケッ、アホくさ!



一時期、「失楽園」が話題となった時も、「不倫」を美化するような風潮にムカついたものでした。その、「失楽園」の内容も、「リラ冷えの街」と似たり寄ったりのようで、amazonのレビューを見ると、かなり酷評されているようです。



渡辺淳一と言えば、「鈍感力」でも話題になりましたが、こちらも、amazonのレビューを見ると、「失楽園」以上に酷評されています。

こんな、人に読ませる価値のない本を、平気で出版するのですから、かなりの鈍感な精神の持ち主であることは間違いありません。酷評されようが、持ち前の「鈍感力」で、何とも思わないのでしょうから、言ったところで「カエルの面に小便」ですが。

まあ、この人の場合、「鈍感」というより「愚鈍」と言った方がピッタリでしょう。

とにかく、二度と渡辺淳一の作品は読みません。

全く持って、時間のムダでした。

−−−−−−−−−−−−−−−



表紙はライラックの、「可憐でいて、どこか儚げな雰囲気」が良くでていると思います。この表紙のイメージに騙されました。

内容はクソ本でしたが、本を捨てるということは、本に対する冒涜だからしません。

書店で買わずに、amazonで1円+送料250円で買ったのが、せめてもの救いでした。


印象に残った言葉

何も記憶に残したくありません。
早く全て忘れたい。

というか、読んだことを、なかったことにして欲しいです。



※読んでしまったので、仕方なく感想を書きましたが、私と異なった感想を持つ方との議論はもちろん、賛同していただける方とも、もはや、この本について言葉を交わす気がしません。

ということで、コメント欄は閉じさせていただきます。



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