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zoom RSS 交錯 (堂場瞬一)

<<   作成日時 : 2014/01/11 16:59   >>

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満足度4 ★★★★

ハルキ文庫
初出版 2010年
読んだ回数 1回








ハルキ文庫−裏表紙の紹介文

白昼の新宿で起きた連続殺傷事件―無差別に通行人を切りつける犯人を体当たりで刺し、その行動を阻止した男がいた。だが男は、そのまま現場を立ち去り、そして月日が流れた。未解決事件を追う警視庁追跡捜査係の沖田大輝は、犯人を刺した男の僅かな手がかりを探し求めていた。一方、同係の西川大和は、都内で起きた貴金属店強盗を追って、盗品の行方を探っていた。二人の刑事の執念の捜査が交錯するとき、それぞれの事件は驚くべき様相を見せはじめる。長篇警察小説シリーズ、待望の第一弾。


感想、みたいなもの

以前も書きましたが、堂場瞬一による警察小説のシリーズは、現時点で下記7シリーズあります。

刑事・鳴沢了                     2001/01/12〜
真崎薫                        2007/07/06〜
汐灘サーガ                      2007/07/11〜
警視庁失踪課・高城賢吾            2009/09/02〜
警視庁追跡捜査係               2010/01/18〜
刑事総務課・大友鉄 (アナザーフェイス)  2010/07/09〜
澤村慶司シリーズ                   2010/09/01〜


堂場瞬一に限らず、「書かれた順に全部読む」ことを基本にしているので、なかなか新しいシリーズにたどり着けないのが現状で、好きな作家なのに、最近の作品は読んだことがないという変な読者になってしまっています。

しかし例外的に、原作が映像化される場合は、自分のイメージが構築される前に映像イメージを押しつけられるのを避けるため、読む順番を飛ばして、新しいシリーズに手を出すことがあります。

堂場瞬一の作品は、TVドラマ化されることが多く、「高城賢吾」「アナザーフェイス」「澤村慶司」も、このパターンで読み始めました。

「警視庁追跡捜査係シリーズ」は、今のところ映像化はされていないので、未読でしたが、ほぼ同時期に始まった「アナザーフェイスシリーズ」最新の5冊目が、ナント、警視庁追跡捜査係シリーズと内容が関連した作品ということなので、アナザーフェイスだけ読み進めると、話がわからなくなる恐れがあるので、急遽、こちらも並行して読むことになりました。

−−−−−



自分以外にはどうでもいい前置きが長くなりましたが、こうして読み始めた「警視庁追跡捜査係シリーズ」第一弾の「交錯」。

警視庁追跡捜査係というのは、膠着化した未解決事件の捜査を引き継ぎ、再捜査する部署という設定です。何となく左遷部署の雰囲気ですが、そこに配属された二人の刑事、沖田大輝と西川大和のコンビが主役です。



文庫表紙に二人の姿が描かれていますが、おそらく左が西川、右が沖田だと思います。

二人は同期で40歳。コンビと書きましたが、追跡捜査係は基本的に単独行動で、それぞれの担当する事件が異なります。また、二人は捜査方法が対照的で、昔ながらの足で稼ぐことが本来の刑事だとする現場派の沖田と、パソコンなどの情報をを元に、頭脳を駆使しての捜査を身上とするのが西川。従って二人の仲は良くありません。

そして、沖田は捜査一課の現場に何としても戻りたいと思っているのに対し、マイペースで仕事を進めたい西川は、それが可能な追跡捜査係をけっこう気に入っている様子です。

そんな正反対のキャラ二人ですが、自分と異なるやり方をする相手を嫌ってはいるものの、タイトルに「交錯」とあるように、二人の扱う事件、そして二人の感情が徐々に接近、交錯していき、心のどこかでは認め合うようになっていきます。そんなベタな展開ですが、いつのまにか、二人一緒に行動するようになっていく様子が、うまく描かれていると思います。

堂場瞬一の場合、多くの場合、謎解きは重視していないのですが、この話も、まずまず予想の範囲内で話が進んでいきます。特に今回はシリーズ物の初回ということで、多くのシリーズがそうであるように、主要な登場人物の設定的な部分が中心に語られるので、こんなものかと思って読んでいましたが、ラストのひとヒネリもあって、読後感はまずまずでした。

−−−−−−−−−−−−−−

西川の扱う「時計の盗難事件」に関連して、時計に詳しい沖田が高級時計の蘊蓄を語りますが、堂場瞬一本人も、かなりの時計マニアなのでしょうか。



作品中に登場する時計として、「歴代のアメリカの大統領が愛用した」とされるヴァルカンです。



そして、高級腕時計メーカー、オメガのスピードマスター。



私は高級腕時計には興味がない(もちろん、金もない)のですが、デジタルよりアナログが好きで、若い頃に買った、セイコーのダイバーズウォッチを未だに愛用しています。今でもほとんど狂うことがなく、昔の製品は本当にキチンと作られていたなと改めて思います。



そして最後に、凶器として登場する「ジャンビーヤ」と呼ばれるナイフがこちら。

文中で説明される通り、刃先がカーブしているのがわかると思いますが、確かにインテリアの装飾品としても利用されそうな雰囲気のナイフですね。

−−−−−−−−−−−−−−



文庫書きおろしのシリーズなので、表紙はこれだけですが、スケッチ画のようなシンプルなもので、硬派な雰囲気が好きです。描いているのはイラストレータの、茂本ヒデキチ氏。

ネットを検索してみたところ、氏のホームページがあり、そこでの肩書きが「墨絵イラストレーター」ということなので、これは筆で描いたもののようです。

この表紙は好きなタイプなのですが、何故か4作目から、普通の写真タイプになってしまったのが残念です。


印象に残った言葉

ここは押すべきなのか。、と沖田は自問した。駄目だ。彼女と会っているのはあくまで仕事。スケベ根性がないと言ったら嘘になるが、個人的な感情を持ちこんだら仕事がやり辛くなる。全ては捜査が終わってから−−と自分に言い聞かせた。


響子がふんわりと笑った。心臓直撃だ、体に悪い。まったく、この女性はどうしてこんなに魅力的な笑みを浮かべることができるのだろう。この人の笑顔をいつまでも見られたら……と沖田は妄想の世界に入りつつあった。


−−−−−

二人の刑事の人物設定ですが、沖田の方が、いつもの堂場瞬一的刑事でした。

「堂場瞬一的刑事」というのは、今風の人ではなく、考え方が古く、堅物なのですが、こと女性に関してはユルイというもので、その典型は、もちろん、あの、「硬派な女好き」、鳴沢了です。

西川は既婚者なので、家庭を大切にする人物として描かれていますが、独身の沖田は、鳴沢了に匹敵する女性へのユルさを発揮してくれます。

沖田は、被害者の女性に惹かれ、鳴沢同様、どんどん公私混同して行き、最後の方では、もう完全に逝っちゃってます。

私も最近では、「これがなくては堂場瞬一ではない!」という感じになっているので、「また来たな〜!」と、思わずニヤリでした。

果たして、沖田が今回の女性をくどき落とすのか、そうではなく、次作では他の女性に移り気を見せ、さらなる鳴沢化して行くのか、別の意味でもシリーズから目が離せません。



※ブログ内の関連記事(堂場瞬一)

堂場瞬一 / 著作リスト

(ブックレビュー / 警視庁追跡捜査係シリーズ)
交錯

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※関連サイト

堂場瞬一 with 中央公論新社
堂場瞬一「凍る炎 アナザーフェイス5×刑事の絆 警視庁追跡捜査係」 特設サイト - 本の話WEB

Hidekichi Shigemoto Official Site NEO BLACK 〜新墨の軌跡〜


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