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zoom RSS 母恋旅烏 (荻原 浩)

<<   作成日時 : 2014/01/28 22:17   >>

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満足度3.5 ★★★☆

双葉文庫
初出版 2002年
読んだ回数 1回








双葉文庫−裏表紙の紹介文

レンタル家族派遣業というけったいなビジネスを営む花菱家は、元は大衆演劇の役者一家。父・清太郎に振り回される日々に、ケンカは絶えず借金もかさみ、家計は火の車。やがて住む家すらも失い、かつてのよしみで、旅回りの一座に復帰することになったのだが……。はてさて、一家6人の運命やいかに!?
刊行時、たっぷりの笑いと涙を誘い、最大級の評価と賛辞を集めた傑作!待望の新装文庫化。


感想、みたいなもの

久々の荻原浩。

今までに読んだ4冊も、「オロロ畑」以外は、まあまあだったのですが、何かもうひとつ物足りないという感じで、積極的に読む気になれず、つい順番をスルーしてしまうことが多くなってしまいました。

積読の数も多くなったので、そろそろ読まねばと思い、今回読んだのが、「母恋旅烏」でしたが、「うーん、やっぱりイマイチだな、この作家。」という感じでした。

物語の主人公は、花菱清太郎率いる劇団一家。
母の菜穂子、兄の太一、姉の桃代、そして二男の寛二の五人を中心に、十七のショートストーリーで物語が進行します。

各話、ベタなのもあれば、意外な展開もあるのですが、わりと期待感を持って読み進めることができました。ただ、いつもそうなのですが、早く先を読みたくなるようなグイグイ引っ張るものがないのです。

エンディングさえ決めてくれたら、いつでも泣く用意はできていたのに、やっぱり物足りない終わり方。まあ、こういった「明るくもあり、でもホロリ感もあり」ということで良いのかもしれませんが、全体的に悪くなかっただけに、やっぱり惜しい感じがします。

「もうこの作家はいいや」というわけではなく、次はもしかしてという期待を抱かせるだけに、そういう意味で、今回もまたを1つ増やして、★★★☆なのです。

−−−−−

ある話の中で、

新郎の同僚のスピーチはまだ続いている。子どもの数は野球チームがどうのこうの、いやラグビーチームぐらいはどうしたこうした、と、コリもせず罪のないジョークを連発している。馬鹿だね。ジョークは罪があるから面白いんだよ。

という文章があったのですが、まさに荻原作品のことを言っているようでした。

荻原作品は、「ユーモア小説」と呼ばれるものが多く、「母恋旅烏」もそのひとつと言って良いと思いますが、ユーモアにしてもジョークにしても、ハッキリ言って面白くない。そう、毒がないのです。

まあ、東川篤哉くらい、徹底した幼稚なレベルであれば、逆にウケルのかもしれませんが、あまりにも中途半端という印象なのです。

なんてことを考えていたら、ある昔の曲を思い出しました。

それは、武田哲也率いる「海援隊」が、西城秀樹の「YMCA」(1979年2月)の爆発的なヒットの熱気冷めやらぬ7月に発表した、「JODAN JODAN」です。

「JODAN」とは、もちろん「冗談」のことで、完全にYMCAに便乗したパクリ曲です。かなりエゲツない「冗談」でしたが、けっこうヒットしたと思います。

歌詞の中に「冗談なんかで 冗談いうか!」というのがあるのですが、荻原浩は「冗談でしかない冗談」または、「冗談にもならない冗談」のように感じます。

まあ、精進料理のようなサラリとした印象の小説が荻原浩の目指すものだとすれば、単なる私との相性が悪いということになるのですが、私としては、もう少し油っこいものや、濃い味付けのものを期待しています。


「JODAN JODAN」は、知らない人が多いと思いますのでYouTubeを載せておきます。ついでに「ヤングマン」も。


※歌詞はこちら


※歌詞はこちら

−−−−−

花菱一家は、一時、「レンタル家族業」を営んでいました。今では、レンタル家族、レンタル彼氏(彼女)なんていう言葉も普通に聞きますが、この本が書かれた2001年にはすでにあったのでしょうか?

ちなみに、ファミリーロマンスという会社のHPを見ると、料金は次のようになっています。

★ 結婚式代理出席(知人・友人・職場・親族) - 13000円
★ 家族代行 - 18000円
★ 恋人代行 - 150000(5時間)
★ 葬式代理出席 - 12000円
★ 買物代行 - 5000円
★ 買物同伴 - 15000円(5時間)
★ 引越し荷造代行 - 10000円(3時間)
★ 墓参り代行 - 10000円(掃除付き15000円)
★ 愚痴聞き代行 - 13000円
★ ディズニーランド同行 - 18000円

いろいろな事情で、家族がいるように見せなければならない場面があるという事情はわかります。しかし、ディズニーランドに一緒に行って、買い物したり、一緒に遊んでくれる人を求めるというのが、独立したカテゴリーであるというのが凄いです。まあ、友達はいないし、一人でいってもつまらないというのもわからないではないですが…。

あと、引越し荷造り代行って、引っ越し業者に頼めばいいのに、何でわざわざそれだけ代行してもらうのかわかりません。どっちにしても他人に手伝ってもらうわけなので、自分の持ち物を知らない人に触られたくないと言うのでもなさそうだし、わかりません。さらに、愚痴聞き代行というのもあるのですが、こんなの頼む人いるの?

それにしても、こういう世の中なんですね。別の意味で笑えない。

−−−−−−−−−−−−−−−



左の表紙は、双葉文庫(2004年)のものですが、最初に出版されたのは2002年で、小学館文庫(右)からだったようです。

双葉文庫に描かれているのは姉の桃代の姿だと思いますが、私が持っているのはこちらです。小学館文庫は、花菱一家の舞台を描いたものですが、ちょっと微妙。

内容的には小学館文庫の方が近いと思いますが、パッと見は、双葉文庫でしょう。いずれにしても、荻原浩と同じように、中途半端な印象です。

−−−−−−−−−−−−−−−

印象に残った言葉

新郎の同僚のスピーチはまだ続いている。子どもの数は野球チームがどうのこうの、いやラグビーチームぐらいはどうしたこうした、と、コリもせず罪のないジョークを連発している。馬鹿だね。ジョークは罪があるから面白いんだよ。

−−−−−

記事に引用



※ブログ内の関連記事(荻原浩)

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