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zoom RSS 雪虫 刑事・鳴沢了 (堂場瞬一)

<<   作成日時 : 2010/11/21 23:42   >>

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満足度4 ★★★★

中公文庫
初出版 2001年
読んだ回数 2回



中公文庫−裏表紙の紹介文

俺は刑事に生まれたんだ――祖父・父を継いで新潟県捜査一課の刑事となった鳴沢了は、晩秋の湯沢で殺された老女が、かつて宗教団の教祖で、五十年前に殺人事件に関わったことを突き止めた。了は二つの事件の関連を確信するが、捜査本部長の父はなぜか了を事件から遠ざけるのだった。正義は、そして歳月は、真実を覆い隠すのか? 新警察小説


感想、みたいなもの

最近、堂場瞬一を売り込もうとしているのか、書店の平積み+POPでしきりに宣伝していて、それが目に留まって読み始めた作家です。


帯に、「寝不足書店員続出 !? 今まで紹介しなくてゴメンナサイ。」と描かれているのですが、すでに多くの著作を持つ作家なのに、何故かあまり紹介されていなかったようです。

私は多くの作家を手広く読んでいるわけではないので、堂場瞬一の名前すら知らなかったのですが、この宣伝に加え、実は、タイトルの「雪虫」にひかれて本を手にしました。



北海道で撮影した雪虫の写真

「雪虫」というのは、アブラムシの一種で、体に綿のような白い部分があり、それが飛び回ると、まるで雪が舞っているように見えることから、北海道では「雪虫」と呼ばれています。

私も札幌に住んでいる時に何度も見ましたが、北海道では、雪虫が飛び始めて数日後に本当の雪が降り始めることが多いので、本格的な冬の到来を告げる、晩秋の風物詩となっているのです。

しかし、この本の中では、

「私はぼんやりと雪の中に立っていた。この季節に特有の、無数の虫が舞うような雪が、車のルーフに当たって乾いた音を立てる。」

白い虫を雪に例えるのとは逆に、降っている雪の方を虫が舞うようだと書かれていて、「そうじゃないのに。」と思ったりしましたが、新潟では、雪のことを虫に例えるのでしょうか?

読後は、ちょっとそこが気になったのですが、それはともかく、夢破れ、東京に舞い戻った私は、北海道での日常を思い起こさせる「雪虫」の言葉に、読んでみようと思ったのです。

−−−−−−−−−−−−−−−

主人公の鳴沢了は、親子3代の警察官。

頑固でストイックかつナルシスト。

言動も理屈っぽく、読んでいてイライラします。

私自身も、(ストイック、ナルシストではないけど)頑固で理屈っぽいので、自分の信念を曲げず、時に不器用な鳴沢了が嫌いなわけではありません。

ただ、普通はこういう面倒くさいタイプの男は女にモテるわけはないのですが、なぜか鳴沢がモテるのが、心の狭い私には気に入りません。(4作目まで読み終わっていますが、いずれの作品でもモテる。しかも、みんな美人!)


さて、今回の事件は、越後湯沢で起こった殺人事件が50年前の事件に関係があり、それが鳴沢家3代の警官にからんでくるというもの。

その事件への対応の仕方がそれぞれ違うのが、佐々木譲の「警官の血」(やはり、親子3代の警官の物語)と似ていますが、「警官の血」の結末と違って、「雪虫」のケリの付け方は、微妙と言えば微妙で、読後の爽快感はまるでありませんでした。



本の表紙にコダワル私ですが、このシリーズの文庫版の表紙は嫌いではありません。しかし、単行本の表紙の方が、この作品の重〜い雰囲気を良く表していると思います。

次作も、次々作も同じような雰囲気で、このシリーズを続けて読むのは重過ぎる気がしますが、どうやら、鳴沢了の人間としての変化などもテーマとなっているようなので、先がどうなるのか、気になるシリーズではあります。

−−−−−−−−−−−−−−−

最近読んだ4作目は、それまでの3作が人間関係の奥行きとして絡んでくる話だったのですが、3作目までは、何となくスッキリしなかったり、重い雰囲気の結末だったのに比べ、4作目は、かなり気持ちの良い終わり方で、個人的には4作の中ではベストでした。

5作目以降、どのように展開するのか今はわかりませんが、(鳴沢のキャラクターがダメな人は全くダメだと思いますが、)個人的には、早く次作が読みたい気分です。

ただ、上記の理由で、1〜3作を読み直そうという気持ちが芽生えてしまったので、雪虫を再読することにします。

こんなことばかりしているので、積読本が全然減りません。鳴沢シリーズ以外にもたくさんの未読本が並んだ本棚を眺め、唸っているところです。


印象に残った言葉

「俺は、刑事になったんじゃない。刑事に生まれたんだ。」

「な〜にカッコつけてんだよ!」と言いたくなるセリフですが、ここまで平然と言い切れるのは、ある意味凄いかもしれません。

でも、もし私の目の前でこう言われたら、

「そうかそうか〜、生まれついてのデカね〜。」
「あっ、だから、『デカは死ななきゃ直らない。』って言うのか〜。」とおちょくって、鳴沢にぶん殴られると思います。


★★追記(2010/11/23)★★

この記事を書いた後、「雪虫」を読み直してみました。

初読は今年の初めだったと思いますが、さすがに、それから4作読んできたので鳴沢のキャラクターにも慣れ、初読時に感じた、「コイツ、何をそんなにピリピリしているんだ。」という鳴沢に対する嫌悪感?も薄れてきたし、やはり、4作目までに鳴沢自身に生じた変化や、伏線など、初読時には気が付かなかったことが良くわかります。

これが、再読の醍醐味、というか、私が、同じ本を複数回読む理由でもあるのです。



※ブログ内の関連記事(堂場瞬一)

堂場瞬一 / 著作リスト

(ブックレビュー / 刑事・鳴沢了)
雪虫
破弾
熱欲
孤狼
帰郷

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