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zoom RSS マスク (堂場瞬一)

<<   作成日時 : 2012/01/03 17:18   >>

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満足度4.5 ★★★★☆

集英社文庫
初出版 2002年
読んだ回数 1回








集英社文庫−裏表紙の紹介文

スポーツジャーナリストの水野は、家族を捨てたプロレスラーの父が死んだと聞き、メキシコの街セントロへ向かう。太陽のように崇められた人気仮面レスラー“エル・ソル”とは、どんな男だったのか。プロレスが唯一の娯楽という貧しい街で、孤児達をかわいがったという父。なぜ、彼は私を捨てたのか――。街で暮らしながら、関係者の証言を集めていく水野が知った父の実像とは……。熱血青春小説。


感想、みたいなもの

野球がテーマの「8年」でデビューした堂場瞬一のスポーツもの第二弾が、プロレスをテーマにした「マスク」です。

主人公の水野昌喜は、父親がプロレスラー。

幼少の頃に家族を捨て、メキシコに渡り、覆面レスラー「エル・ソル(太陽)」として活躍した父の足跡を追い、昌喜がメキシコを訪れるところから物語は始まります。

一応、メキシコでいうプロレス「ルチャ・リブレ」がテーマになっていますが、試合の描写や選手の競技に対する想いを描くといった、いわゆる「スポーツもの」とは異なり、「父と子」、「家族」といったあたりがテーマの作品です。

デビュー作の「8年」は妻と娘、「雪虫」では父と子、次作の「天国の罠」でも父と娘というように、堂場瞬一は、このテーマが好きなようです。

「自分を捨てた父を恨みつつも、父の本当の想いを見出すことで、父の影を引きずる自分探しへ繋げる。」といった、まあ、ありがちな作品ですが、舞台がメキシコ、しかもプロレスがらみということで、ちょっと珍しい雰囲気を持っていると思います。

亡くなった父を、今でも慕う町の人達に、自分を追って日本からやってきた、高校・大学時代の友人千夏も登場し、さらには、サスペンス的な内容もうまくからめ、物語は進行していきます。

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元々、プロレスは好きだったので、メキシコのプロレスのことなど、興味深く読めましたが、



メキシコの覆面レスラーと言えば、何と言っても「仮面貴族」と呼ばれたミル・マスカラスでしょう。



華麗に宙を舞うそのスタイルは、日本でも人気がありましたし、マスカラスのテーマといて有名な、ジグソーの「スカイ・ハイ」も、以前、携帯の着メロにしていたくらい好きでした。



そして、私にとって覆面レスラーと言えば、マスカラス以上の存在なのが、「タイガーマスク」。

子供の頃、漫画のタイガーマスクが大好きだったので、夢か幻か、初代のタイガーマスクが登場した時には本当に驚きましたが、すぐに大ファンになり応援したものです。

作品中にも、「エル・ティグレ」という覆面レスラーが登場しますが、「ティグレ」とはスペイン語で「虎」のこと。

初代タイガー・マスクも、メキシコで「ティグレ・エンマスカラード」のリングネームで戦ったことがあるようです。


Rey Misterio, Arandu, Tigre Enmascarado, Suicida vs Medico Asesino, Cirujano, Enfermero,

このYouTubeのタイガーが初代なのかどうか、はっきりしませんが、白い覆面、白いパンツの名もなき?覆面レスラーなど、ルチャ・リブレの雰囲気を味わえます。


THE FIRST TIGER MASK (SATORU SAYAMA) HABLA PARA SUPER LUCHAS

また、タイガーがスペイン語で語る映像をYouTubeで見つけたのですが、「Viva!Mexico.」とか、そんなに難しい単語を使っていないし、ゆっくりと話しているので、何となくわかります。

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というように、プロレス好きなら、ストーリー以上の楽しみ方が出来ると思いますし、実際に私は面白く読んだのですが、では結局、父の想いは何だったのかというと、イマイチ、わかったような、わからないような感じでした。

「エル・ソルは子供たちを大事にする男だった。試合が終われば、最後の一人が帰るまでサインしていたし、この孤児院に関わるようになったのだって、根本的には子供が好きだったからだよ。」

という、貧困の町に暮らし、孤児達を可愛がっていたという描写があり、ここでも、タイガーマスクの「伊達直人」を思い出しますが、伊達直人の場合、自分も孤児だったという背景がありますが、「エル・ソル」の場合は、日本に残してきた息子を思ってというのが理由だと思います。

エンディングも良いシーンで、こういった父の気持ちは理解できたのですが、肝心の「何故、日本を、家族を捨てて来たのか」という部分は最後まで曖昧なままで、完全に納得というわけではなかったので、★★★★☆としました。

その辺をきちんと読み解くために、これは、再読すると思います。

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文庫版の表紙(左)は、「エル・ソル」のマスクと、メキシコのビール「コロナ」が描かれています。

マスクは、本文中の描写とは異なりますが、雰囲気は良くでていると思います。



コロナは、一時期はやったことがあり、良く飲みました。

ライムを瓶の口から入れ、そのままラッパ飲みというスタイルが何となくワイルドで格好良く思えたのですが、今でも、コロナを飲むと当時を思い出して懐かしい気持ちになります。

単行本の表紙(右)は、「マスク」の文字が金の縁取りになっているだけのシンプルなもの。

文庫版も良いと思いますが、実際のマスクに見立てた処理を施した表紙、かなり良いと思います。個人的に(単行本を持っていないけど)かなり気に入っています。


印象に残った言葉

カランサが、自分用にテキーラを持ってくるようウェイターに命じた。半分に切ったライムに吸いついて果汁を口に含み、塩を舐めてから、テキーラを放りこむ。ライムと塩のチェイサーとしてテキーラを飲んでいるようだった。




メキシコの酒と言えば「テキーラ」ですが、かなり前に、ストレートで飲んだことがありますが、かなり濃い酒で、美味しいとは思いませんでした。

一度飲んだきりで、ストレートのに見かたを知る機会はなかったのですが、表紙に描かれた「コロナ」同様、テキーラも、ライムと一緒に飲むんですね。

ライムと塩ということなら、「ソルティドッグ」に似た味になるのでしょうか?

グレープフルーツより柑橘度は高め、しかも直飲みということで、もっとワイルドな感じかもしれません。今度、飲んでみようと思います。



※ブログ内の関連記事(堂場瞬一)

堂場瞬一 / 著作リスト

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※関連サイト
堂場瞬一10周年記念特設サイト
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