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zoom RSS 蒼の悔恨 (堂場瞬一)

<<   作成日時 : 2012/01/14 23:14   >>

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満足度2 ★★

PHP文芸文庫
初出版 2007年
読んだ回数 1回








PHP文芸文庫−裏表紙の紹介文

雨の横浜――「猟犬」と呼ばれる男、神奈川県警捜査一課・真崎薫の孤独な戦いが始まる! 連続殺人犯・青井猛郎を追い詰めた真崎だったが、コンビを組んだ赤澤奈津をかばった一瞬の隙をつかれて深手を負い、逃走を許す。捜査から外されるも、青井を追い続ける真崎。犯人が次に狙う標的とは?そして真崎、赤澤、青井を結ぶ意外な接点とは? 警察小説の名手が描く、緊迫の長編サスペンス。

感想、みたいなもの

読み終わって、思わず出た言葉が、「何じゃ、こりゃ〜!」

何ともアホ過ぎるストーリー。

それでも、何とかラスト決まれば★★★くらいはあるかなと思って読んでいましたが、安物のメロドラマのような、芝居がかったラストの陳腐さに、笑いをこらえることができませんでした。

堂場瞬一がこんな作品を書くとは信じられません…。

リアリティだけが重要ではないのは、誉田哲也の「ストロベリーナイト」の感想でも書きましたが、設定があまりにも現実離れしていると、さすがに興ざめします。

−−−−−−−−−−

神奈川県警捜査一課の真崎薫は、連続殺人犯の青井を逮捕寸前まで追い込みながら負傷入院。その真崎が退院し、再び青井を追うのですが、コンビを組むのが、赤澤奈津という刑事一年生の「美人」刑事。

ありがちな設定ですが、その美人度たるや、「度をこした彼女の美しさ」であり、「たぶん生まれてから今まで見た中で最高の美人」という設定。

そもそも、とんでもない美人が刑事になるという設定自体、アホ過ぎるのですが、その上彼女は、超一流の宝石店チェーンの一人娘というダメ押し付きのアホらしさ。

そこまで現実離れした設定にするのなら、それはそれで、その設定を生かしたフィクション性を持たせればいいと思うのですが、あくまでも真面目モードの話では、しらけるだけです。

−−−−−−−−−−

真崎薫は、堂場瞬一の別シリーズの主人公「鳴沢了」と同タイプの硬派なイメージですが、ストイックな鳴沢了とは異なり、酒は飲むし、煙草も吸います。

ただ、そっくりなのが、「女にユルい」点。

というより、鳴沢了の場合、他はキツク自制しているストイックな自分に後ろめたいのか、女に対して煮え切らない態度を取るのですが、真崎薫は、捜査中でも、いかに奈津をくどくかを考えているような、ラブモードに徹した女好き。

そして、「絶世の美女」である奈津は、ナ、な、何と、「男に好きと言われたことがない」(そんなアホな!)という純情娘という設定で、あっさりと陥落します。

刑事になる前の真崎が巻き込まれた「家族の事件」との関わりも、まさかこうじゃないよねと思いつつ、誰でもそうとしか考えないだろうという、そのまさかの展開。

満足度はでもいいくらいなのですが、過去にをつけた4作品と比べると、さすがに怒りを覚えるレベルではないので★★です。

しかし、過去に★★☆をつけた作品のような「惜しい」レベルではなく、救いようのない★★でした。

「ストロベリーナイト」がamazonのレビューやブログでボロクソに酷評されていたのを思い出し、「蒼の悔恨」こそ酷評されるべき作品と思ったのですが、意外にも、さほど評価は悪くない模様。

読む人の数が、「ストロベリーナイト」とは比較にならないくらい少ないとは思いますが、それにしても、私の感性がおかしいのでしょうか?

まあ、単発作品なら、「こういうこともあるさ」と忘れられるのですが、これがシリーズものだというから、さらにビックリ。もし、次作が良くても、第一作の汚点は決して消えません。

それにしても、何でこんなものを書いたのかサッパリわからん…。

−−−−−−−−−−−−−−−

本作で初登場した真崎薫の雰囲気は、具体的なブランド名を出して描写される服装から、うかがい知ることが出来るでしょう。



本作で、真崎薫が愛用しているのが、アメリカ軍のM65フィールドジャケット。



これにジーンズやミリタリーパンツを合わせ、足元は、「レッドウイング」か、



「ティンバーランド」のブーツというのが定番。



そして、好みのタバコが「ラッキーストライク」とくれば、



アメリカンカジュアルな雰囲気の完成です。

私も、オリーブグリーンなどカーキ系の色は好きですし、ザックリしたM65風のジャケットを持っていますが、



こんなインタビュー画像があるので、作者の堂場瞬一もミリタリー風の服装が好きなのだと思います。

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表紙は、神奈川県警ということで、ベイブリッジ(多分)の夜景ですが、色もタイトルに合わせて「あお」です。

ちなみに、シリーズ第二作のタイトルは「青の懺悔」で、今度はズバリ「青」なのですが、「蒼」と「青」ってどう違うのでしょうか?

単行本の表紙(右)も「あお」が基調ですが、青というより緑に近い感じ。

ただ、日本語の青は緑を指すことが多いので、ますます分かりませんが、顔面蒼白の「蒼」なので、血の気の引いた青色(どんなだ?!)を指すのでしょうか?

シリーズは「(蒼の)悔恨」→「(青の)懺悔」という似た感じのタイトルが続きますが、どうやら「悔いて」はいるらしいので、こんな作品を書いたこと自体を作者が悔いて、顔面蒼白になっているということかも?


印象に残った言葉

「この世の間違いを全て正そうなんて考えてないよ。俺一人が頑張ったところで直せるわけがない。ただ俺は、自分の身の回りにちょっとした平和を生みだしたいんだよ。担当した事件は解決したいし、自分が関わった人に幸せになって欲しい。」


犯人逮捕より女を優先する男のセリフとは思えませんが、この思いには共感を覚えます。

以前、サラ・パレツキーの「センチメンタル・シカゴ」の感想で引用したヴィクの言葉、

「たいがいは小さな問題ばかりだけど、探偵を始めてからは、問題の核心にたどりつくことができれば、すこしは世の中に貢献したような気になれます。」

と、同様の思いが感じられます。

アホ過ぎる世の中ですが、自分の周りの力の及ぶ範囲から変えていく。皆がそういう思いを持てば、世の中は変わっていく。

そう思いたいです。



※ブログ内の関連記事(堂場瞬一)

堂場瞬一 / 著作リスト

(ブックレビュー / 真崎薫)
蒼の悔恨

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※関連サイト

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